その女アレックス

悲しみのイレーヌが面白く、続編と言われる本作に手を出す。

アレックスという女の見え方が、読み進める内にドンドンと変わる。なるほど、そうなるのか、と展開していくのはさすがの構成力。

ただ、前作に比べるとやや後半に無理を感じる。なぜ、カミーユたちはここまで自信を持って犯人を追い詰めることができるのか、そして、真実ではなく正義を優先するラストは、結局アレックスの手の中で踊らされてるだけのような印象で、ややスッキリできなかった。

また、前作ではいい面も悪い面も見せて深みのあった警察のキャラクター作りも、一面的になり、物足りなさを感じる。

十分に面白いが、やはり一作目があっての二作目、そう感じずにはいられなかった。とにかく、読もうか悩んでいる人には、順番を間違えないよう、アドバイスしたい。