新世界より 貴志祐介

久しぶりに、寝る間を惜しんで読み耽った。Kindleだと上中下の三巻あったが、あっという間に引き込まれ、夢中になって最後まで読んだ。

SFだしホラーだし、現実とあまりに違う世界が描写されつつも、どこかで、今のまま時間が過ぎたら、いつかこうなるのでは、と思わせるところが素晴らしい。

希望と絶望が交互にやってきて、足元が覚束ないような、フワフワした感覚の中、はやくどこかで安心したい、と思って読み進めてしまう。やめられない。同じ作者のクリムゾンの迷宮を読んだ時も同じような感覚だったと思い出した。

いつか読みたいなと思いながら、長くて敬遠していたが、やっぱり読んで良かった。

今はまだ余韻に浸っている。話の舞台が日本ということもあり、今自分が生きている世界とオーバーラップしてしまう。そして、今の社会が、いい社会なのか。。。

そんなことを、電車に乗る人が皆携帯の画面に集中しているのを見ながら、ふと思った。