オデッサファイル
ナチスの残党を追いかけるサスペンス映画。第二次大戦後、ドイツ国内で大戦がどのような扱われてきたのか、垣間見れる秀作だ。
なぜ、一介のジャーナリストがある男への復讐に命を賭けるのか。それは終盤明らかになるのだが、主人公の葛藤を描くのに効果的なエピソードとなる。
また、宿敵の描き方は政治的な狙いなのか、とにかく情けない。主人公自身も、こんなやつのために、、、と呟くのだが、それは、後世この映画を見た人が、ナチスへのヒロイズムを感じないように、憧れの対象にしないために、あえてそうしたのかな、とも感じた。
戦後の中東情勢は非常に複雑で、また様々な思惑が絡み合うところでもあるので、はっきりとは言えないのかもしれないが、ちょっとだけ勿体無い。
しかしながら、手に汗握るサスペンス映画として、強くお勧めしたい一本だ。