謎の独立国家ソマリランド

大好きで尊敬する作家の高村薫さんのオススメになっていたドキュメンタリー、謎の独立国家ソマリランドを購入。

リアル北斗の拳と呼ばれるソマリアに潜入し、ソマリランド、プントランド、そして南部ソマリアへと向かい、その地域の違いや歴史的な背景などを紹介。
ソマリアになんの知識もないまま読んだが、分かりやすく、また面白く読んだ。筆者の高野氏と共に行動し、勉強しているかのような気持ちになりながらソマリランドへバーチャルトリップしているような気になる。

ソマリランドをやや褒めすぎで、誰も知らないことを自分が明らかにしていく、誰も知らない楽園のメンバーになっていくというちょっとした優越感がラストに向けて感じられ、そこが読み手としては鼻についたが、それでも今まで知らなかったことがどんどん明らかになっていく感じは痛快だ。

なぜ国際社会がソマリアを平定できないか、なぜ21世紀に海賊が跋扈しているのか、様々なことがストンと分かる。筆者とともに冒険しているかのような気持ちにさせられる。

この高度情報化社会に、ここまで知らなかった世界があること、押し付けられたシステムではなく、自ら社会を作っていくダイナミズムはとても読み応えがある。読んで良かった。