エスプリ思考

エルメス本社(!)に勤める副社長の日本人(斎藤氏)に取材した、エルメスと斎藤さんのお話。

基本的にはエルメスの広報誌。この本は元々、斎藤氏が日本支社にいる時に出版の打診を行い、そして断られた後、グローバルの副社長になった際に再度申し込んだら取材OKだった、という本。日本という市場において、広告よりも効果的に、エルメスの思想・哲学・エスプリを広めることができる。天邪鬼な見方をすれば、そうとも思えるくらいの内容。

基本的には、エルメスの職人への敬意、顧客との関係作り、良い物を長い時間かけて慈しむ文化の礼賛。これに共感できる人は、きっとエルメスのお客さんとしてふさわしく、そしてきっと、何かしら欲しくなる。

エルメスがいいものだ、ということはよく分かる。ただ、、、ただ、、、やっぱり高すぎて庶民には手が出ないのも事実。職人が一つ一つ丁寧に作っているから、と言われると妥当な金額なのだろう。それでもなかなかサラリーマンが買えるものではない。

しかし、、、しかしながら、、、エルメスの何かしらが欲しくなったのも事実。いつもすぐ壊れる私の鞄。いつかはエルメスで買って、本当に長く使えるのか試してみようか・・・。

「低価格の商品と高価格の商品を一緒に組み合わせて使うのは日本だけの特徴」この言葉には、思わず膝を叩いた。靴はボロボロなのに、鞄は一流ブランド、ユニクロのジーパンに、カルティエの時計。それが当たり前なのは日本だけ、らしい。そうだよねー。高級ブティックに入る時に、何か値踏みされているような視線、、、それはきっと、本当に値踏みされているのだろう。特に海外に行った時は、それなりの格好じゃないと相手にしてもらえない。そう考えると、やっぱり自分には縁がないのかしら。。。。

本を読みながら「もし自分がこの人の面接を受けることになったら、どんな格好で行けばいいだろう」と考えながらページをめくっていた。きっと、その時の装いも面接の結果に大きく影響する。エルメスを、、買えてもネクタイくらいかな・・・。それでも相当な覚悟の値段だ。うーん。もういい年なんだし、こういう時に決められる、いわゆる勝負服は服は少なくとも1着は持っていたい。スーツもシャツもネクタイも鞄も靴も。一揃えするにはお金もかかるけど、でも、やっぱり必要だな、と感じた。

本当、エルメスいいな。
今度お店に(冷やかしではなく、勉強に)行ってみたいと心底思いました!